愛しいキミへ
───五分後

結果、叫んだのは直哉でした♪

「お前、ビビりすぎだろ!!」
「うるせー!雅樹が話しかけるから、お化けに気づけなくて不意をつかれたんだろ!?」

けらけらと笑う俺に、悔しげに反論してくる直哉。
でも、俺は叫ばずに終了できた。
なんか勝った気分だぜ♪

「俺のクラスより怖いとはやるな…。」など呟く友に適当に返事をしながら、文化祭のパンフレットを見て、次の行き先を物色する。
そろそろ腹減ったから、なんか食べ物がいいけど・・・色々あって迷うな

「なぁー。次、1-5の焼きそばに行かね?腹減った。」
「え~俺はたこ焼きが良い。」
「たこ焼き?どこでやってるかな…。」

直哉ご要望のたこ焼き屋をパンフレットで探す。
持ってる奴がいたから、どこかで絶対出てるんだよな・・・
真剣に探していると、横から「あっ!」っという声が聞こえてきた。

「なに?たこ焼きあった?」

顔を上げ、直哉の視線の先を見る。
するとそこには、クラスメイト二人と歩く沙菜の姿があった。
きゃっきゃっと楽しんでいる様子。
沙菜も帰らずに文化祭を見て回るって言ってたな
お互い友達と回るということで、今日は帰宅も別々・・・となっている。

去年も一昨年も一緒に回れなかったから、少し回りたかったけど・・・
まぁ仕方がないか

「沙菜ちゃーん!」

突然、直哉が沙菜に呼び掛けた。
その後に俺を見て、にやっとする。
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