愛しいキミへ
沙菜は、熱い、熱い、と慌てる俺を見てコロコロ笑う。

「何やってるの~。大丈夫?」
「大丈夫…。たこ焼きサンキューな。」
「どういたしまして♪」
「アホだなぁ~。どう見ても熱そうじゃん。」

口の中を火傷しかけてたのを見られてたらしく、直哉に笑われる。
沙菜の友達も、熱さに涙ぐむ俺を見て笑いを堪えているようだった。

「うっせーな。お化け屋敷で叫んでた奴に言われたくねぇよ。」
「ちょ…っ!お前それ言うんじゃねぇよ!!」

「え~!直哉、お化け屋敷で叫んだの!?」

沙菜の友達が直哉を笑い出す。
その反応に「そうなんだよ。」と返事をする俺の口を押さえようとする直哉。
笑われた仕返しだ♪

「私たち二人は平気だったのに!直哉ってビビりなんだね♪」
「うるせーよ!別にいいだろ!!」
「…私は入らないで待ってたから、笑えないよ~。」
「沙菜は女の子だから良いんだよ。こいつはねぇ~男のくせにダメだな♪」

お化けとか心霊系がダメな沙菜をフォローしながら、直哉をからかい続けた。
一通り、みんなで笑い合った後、じゃあねっと別れた。

二人になった途端に、直哉が俺の肩を殴る。

「…お前なぁー。俺のイケメン度を下げたな!」

殴られた肩をさすりながら、横を歩く。
ある程度、手加減されていたが痛いものは痛い。
仕返しに直哉の肩を殴る。
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