愛しいキミへ
「お前が先に笑ったんだろ?てか、イケメン度ってなんだし。」
「いや!俺が思うに、本当のイケメンはビビったりしないんだよ!」
「なんだ。その理論。」

話しながら中庭で出店するたこ焼き屋の列に並び、一つづつ買う。
ベンチは空いてなかったため、中庭の隅にある花壇の縁に腰を下ろした。
熱々のたこ焼きを、今度は火傷しないように気を付けて口に運ぶ。

素人の生徒が作ったにしては上手いな♪

沙菜に貰ったのは熱さで味がわからなかったから、今やっと味を知った。

「そういえばさ、さっき二人でラブラブしすぎだろ。」

ふーふーと冷ましてたこ焼きを食べる直哉に言われた。

「は?別に…普通に話してただけじゃん。」
「沙菜ちゃんに『あーん♪』してもらってたくせに、よく言うよ。」

『あーん♪』?
・・・確かにしてもらってたかも
なんにも考えてなかったわ・・・
言われて気づいて、今さら照れてしまった・・・。

「ウブな雅樹くんが照れております♪」

もちろん直哉にからかわれる。
なんで受け取って食べなかったんだろ・・・

「うるせーよ…気づかせるんじゃねぇ。」
「自然としてたもんな。」
「からかうんじゃねぇー。」
「いや、からかうとかじゃなくて。」

モグモグとたこ焼きを食べながら、話を続けた。
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