愛しいキミへ
すると、ポケットに入れてあった携帯のバイブが鳴り始めた。

「ごめん。ちょっと待って。電話っぽい。」

隣を歩く直哉に一声かけて電話に出た。
俺に気を使って、直哉が立ち止まってくれて、電話しやすくなる。

「もしもし?」
「あっ!雅樹?タケだけど、今お前の高校の文化祭に来てるんだ。暇ある?」

元気なタケの声が聞こえた。
声が大きくて耳が痛い・・・。

「なんで来てんの?今、どこにいるんだよ。」
「来ちゃダメかよ。玄関のところにいるんだけど!」
「悪い。…ちょっと待ってくれる?」

電話を耳から外して、直哉に話しかける。

「今さ、中学ん時の友達が来てるらしくてさ…一緒に回って良い?」
「全然良いよ!人数多いほうが楽しいじゃん♪」
「ありがとう。」

直哉から許可が出ました♪
もう一度、電話を耳にあて、

「友達一緒で良いか?良い奴だから、タケも気に入ると思うよ。」

とタケに伝えると「了解!迎えよろしく!!」という返事がきて、電話を切った。
玄関にいることを直哉に言い、二人で向かった。

「友達ってどんな感じなの?」

歩いていると直哉に聞かれた。

「明るくて、すっげー元気な奴。直哉に似てるかも♪」
「それは会うの楽しみだ!雅樹の中学時代の様子を聞きだそうっと♪」
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