愛しいキミへ
クリスマスプレゼント
「寒い…。」

マフラーをしっかりと巻き、かじかむ手をポケットへと入れる。

今日から12月。
木々の枝には葉がなくなり、見ていると寂しくなる。
吐く息は白くなるほど寒い季節へと変化していた。
家を出たくないと思ってしまい、なかなか学校へ行く準備が進まなかった。

隣を歩く沙菜は、紺色のダッフルコートを着ている。
マフラーだけの俺よりは暖かい格好をしている・・・はずなのに俺よりも震えていた。

「寒いー!冬やだ…。」
「これからもっと寒くなるよ?」

寒さで鼻を赤くする沙菜が可愛い。

「そうしたら体中にカイロを貼るもん!」

コロコロと笑いながら話す。
つられて俺も笑った。
笑い合い、一緒に登校する時間は寒くても楽しい。

学校に着き、廊下を歩いていると

「おはよー!」

後ろから声をかけられた。
振り向くと青ベースのチェック柄マフラーをしてた直哉が立っている。

「おはよ~」
「おはよう、直哉くん。」

沙菜と挨拶をして三人で教室へと向かい、直哉と俺は同じ教室へと入った。
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