愛しいキミへ
キーンコーンカーンコーン

チャイムと同時に先生が教室に入ってくる。
直哉から解放される・・・

「休み時間までになんか考えといて!!」

小声でつぶやき、慌てて自分の席へと戻っていった。
・・・考えるって言っても俺、桜ちゃんと会ったことないから好みとかわかんねぇし

朝のHRが終わり、一時間目の数学の授業が始まる。
始めは少しプレゼントについて考えてみたけど、やっぱりわかんない!!ってことで授業に集中した。

授業が終わると同時に、直哉が俺のところまで来た。

「考えた!?」
「…桜ちゃんの趣味がわからないので、考えられませんでした。」

正直に答える。
何を期待していたのか、直哉はガッカリした顔をする。

「彼女へのプレゼントぐらい自分で考えろよ。」
「…じゃあ、雅樹は沙菜ちゃんに何をあげるんだよ?」
「………あげること考えてなかった。」

俺の返事を聞いて、驚く直哉。
これだけ直哉がプレゼントって言ってるのに、自分があげることは考えてなかった。
沙菜とは少しでもクリスマスを一緒に過ごせればいい・・・そう思っていたから・・・

「沙菜ちゃんの喜ぶ顔、見たくないの?」

窓の外を指差しながら話す。
外を見ると、ジャージ姿の沙菜が校庭に立っていた。
クラスメイトと話ながら、寒そうにしている。

次の時間、体育なのか・・・
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