愛しいキミへ
───昼休み

直哉といつものように屋上へ向かった。
12月に入った今、吹きかける風はすごく冷たい。
直哉との昼は屋上が当たり前になっているが、そろそろ限界の季節かもしれない。

「寒いー!!明日から教室で食べようぜ…。」
「…そうだな。」

寒いと言いながらも元気な声の直哉。
それに比べ、俺は英語の授業のダメージが残っていて、元気がでない。

「そう暗くなるなよ~。欠席の生徒が多くて、先生もイライラしてるんだよ。」

そういえば最近、欠席の生徒が多くて目立つ。
今日もクラスの3分の1くらいが休んでたっけ・・・。

「風邪でも流行ってきた?…まさかのインフル流行!?俺、予防接種してねぇよ!!今からでも間に合うかな!?」
「雅樹、落ち着け。風邪の奴もいるだろうけど、ほとんどがサボりだよ。」
「…サボり?」

直哉が当たり前のように言ったが、一応進学校で真面目な奴ばかり。
普段からサボるような生徒はいない。
聞きなれない単語に、首をかしげた。

「何でサボりだってわかるんだよ。」
「だってさ、学校休んでたやつと予備校では会えるんだぜ?授業より受験勉強優先ってこと。」
「…出席日数をクリアすればいいのか。」
「そう。だから授業をおろそかにするなって念を押されたわけ。」
「なるほど…。」

俺に言ったのもあるけど、クラスに『これ以上休むんじゃない』と念を押したのか
・・・ってことは先生、俺に八つ当たり!?

「まぁ~沙菜ちゃんに見とれて授業を聞いてなかった雅樹も悪いけどな。」

ニヤニヤと直哉に言われた。
・・・反省してます
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