愛しいキミへ
予算・・・手持ちをはるかにオーバー。
でも、どうしても【これ】を沙菜にプレゼントしたかった。

「雅樹?決まった?」

プレゼントの購入が済んだ直哉が戻ってきた。
手には小さな紙袋。
いかにもプレゼントって感じだな。

「決まったけど…金が足りない。」
「マジで?そんな高いのにするの?」

これっと俺が指差す商品を直哉が見る。
え・・・っというような顔をしたのがわかった。

「…これにするのか?」
「あぁ…決めた。でも金がないんだよな~。」
「家にもないわけ?」
「ないんだよね~。」

受験生ということでバイトをしていない。
だから、親に貰っているお小遣いで今は生活している。
今、財布に入っている金で来月までやっていかないといけない状況だった。

「…やるしかないか。」
「は?何をする気だよ。雅樹。」

直哉への説明はあとで。
とりあえず購入するものを確保するために近くにいた店員に声をかけた。
取り置きのお願い・・・と、その他もろもろのお願いをして店をでた。

「…取り置きしてもらって、金はどうするんだよ!ってか、さっきは何を考えてたわけ?」

直哉に眉をひそめながら問いかけられる。
そんな顔しなくても、変なことじゃないっつーの

「ちゃんと話すよ。少しお願いもあるので…どっか座って話そうぜ♪」
「は!?お願いってなんだよ!?」

質問してくる直哉をファミレスへと引っ張っていく。
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