愛しいキミへ
「俺の勉強が間に合わなくてさー、学校どころじゃないんだよね。それで雅樹に勉強を教わりたくて!」
「そ…そうなんだよ!」
「…受験に関係ないからって、あんまりサボらない方が良いけど…頑張ってね。」

直哉のフォローで渋々、納得して自分のクラスへ入っていった。
助かった~!!

「サンキュー、直哉。何から何まで悪いね・・・。」
「良いよ。その代わり、ちゃんと沙菜ちゃんにプレゼントしろよ♪」

ホント直哉には頭が上がらないわ
こんな良い友達がいるって俺は幸せ者だぜ♪


直哉の協力を得て、次の日から日払いのバイトを始めた。
勉強ばかりで動いてなかった体に、力仕事はキツかった。

「前やった時は、ここまでキツくなかったんだけどなぁ~。」

荷物を運んで動き続けているからか、冬なのに体が汗ばむ。
冷たい飲み物がおいしかった。

3日間働いて、無事にお金は貯まった。

金曜は筋肉痛に苦しむ体にムチを打って、学校に行った。
学校をサボっていたことを、沙菜にグチグチと言われたけど・・・少しむくれる顔も可愛く感じてしまう俺には、説教も通じない。

土曜は稼いだ金を持って、アクセサリーショップへと行った。
直哉が一緒に来てくれると言っていたけど、これ以上迷惑はかけられない・・・と遠慮をしてみた。
ていうか、一緒に買いに行ったらからかわれるのが目に見えている。
だから遠慮したのもある。

でも・・・この店に一人も恥ずかしかったな・・・

「彼女へクリスマスプレゼントですか?」

店員に笑顔で問いかけられるが、恥ずかしくて答えられなく、モゴモゴしてしまう。
やっぱり慣れねぇーよ!!
こういう店!!!

戸惑いながらも、無事に沙菜へのクリスマスプレゼントを買えた。
喜んでくれるかは・・・正直わからない。
でも、ちゃんと渡したい。
俺の気持ちを沙菜に渡したい。
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