愛しいキミへ
「そんな写真撮るようなものじゃないよ~。」

と言いつつも、コロコロと笑い、褒められて嬉しそうな沙菜。
切って出されたケーキを食べる。
するとクリームの甘さとイチゴの甘酸っぱさが、口一杯に広がった。

「すごい上手い!!さすが沙菜ちゃん♪」
「まぁねー♪もっと褒めていいよー。」
「駅前のケーキ屋より上手い!!」

ケーキを食べながら、楽しく広がる会話。
デートスポットとかクリスマスイルミネーションとか、そういうところにはいけないけど、大好きな沙菜と過ごす時間。
大好きな人が作ってくれたケーキ。
これが揃っている俺は、今とても幸せだと思う。

ケーキを一切れづつ食べ、沙菜の入れてくれた紅茶を飲み、少し落ち着く。

・・・そろそろプレゼントあげようかな

ごそごそとポケットに入ったプレゼントを出そうとする。

「あのさ…沙菜これ…」
「あっ!!雅樹見て!!窓の外!!!」

またタイミングを逃した・・・。
言われた通り窓の外を見る。
そこには・・・

「おぉー!雪降ってるじゃん!!」

白い雪が降っていた。
ちらちらと小さな雪が次から次へと落ちていく。

「すごーい!ホワイトクリスマスだー♪」
「俺、クリスマスに雪見るの初めてだよ!!」
「私も!ねぇーせっかくだから屋上行ってみない?」
「賛成!行こうぜ!!」
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