愛しいキミへ
「!!ちょっと待って!!」

慌てて沙菜を呼び止める。
急に大きな声で呼び止められ、不思議そうな顔をする沙菜。

「なぁに?まだ雪が見たいの?」
「そうじゃなくて…渡したいものがあって…。」

来てっと手招きをすると、チョコチョコと俺の前まで来てくれた。

「喜ぶかわかんないけど…これ。」

ポケットから小さな箱を出して渡す。
白い箱についたピンクのリボンは沙菜をイメージして選んだ。
びっくりしたように沙菜は受けとる。

「え…?なに、これ?」
「…クリスマスプレゼント。」
「受験があるからプレゼント交換はしないって、こないだ言ってたじゃん!」
「俺があげたかっただけだから。」
「…でも…私、なにも用意してないのに…。」

気まずそうに下を向いた。
自分だけがプレゼントをもらうのが納得できない様子。

「沙菜はケーキを作ってくれてたじゃん!すごい嬉しかったから、俺にはあれがプレゼント♪」

なっ!
と言う俺を見て、嬉しそうに笑った。

「うん。ありがとう!…開けていい?」
「どうぞ♪」

丁寧にリボンをほどく沙菜を見ていると落ち着かない。
あげたプレゼントって、すぐ見て欲しいっと思うけど・・・目の前で開けられると、なんだか恥ずかしいくなるんだよな

沙菜が箱をパカッと開けた。

「…え?」

小さな声がこぼれた。
見るからにびっくりした顔。
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