愛しいキミへ
「タケが話したいって!ほらっ!」

次は俺の携帯を渡してきた。
慌ただしい奴だな・・・

「じゃあ~急にごめんね。直哉にかわるから。」
「いえ。直哉くんが急にごめんなさい。」

桜ちゃんに一言伝えて、直哉が差し出す携帯と交換する。

「桜ちゃんビックリしてたぞ!話したこともないのに…。」
「悪い!まぁ桜は気にしないと思うから!」

笑顔のまま桜ちゃんと電話で話し始めた直哉。
・・・桜ちゃんは苦労するな
少し申し訳ない気持ちになった。

直哉への文句はあとにして、今は電話の向こうで待つタケと話すことにする。

「もしもしタケ?」
「おう!雅樹!?K大合格おめでとう!!」
「サンキュー!急に直哉がごめんな?」
「良いよ!俺も結果が気になってたんだよね。すぐに知れて良かったよ♪」

電話越しに、タケの明るい声が聞こえてきた。
タケも喜んでくれているのがわかる。

「ごめん。もうすぐ授業始まるから…近いうちに会おうぜ!」
「あぁ。遊ぼうぜ!じゃあな。」

電話を切って直哉を見ると、ちょうど直哉も電話を切るところだった。

「桜ちゃんになんか言われた?」
「話したことないのに急にかわるなって怒られた。ちょっと騒ぎすぎ?」
「ちょっとじゃねぇよ。騒ぎすぎ!」
「だって!本当に嬉しかったんだよ!!」

桜ちゃんに怒られたみたいだし・・・
心から俺の合格を喜んでくれているみたいだし・・・
今日は良しとしますか!
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