愛しいキミへ
周囲なんて俺らには、関係なかった。
「…確かに、告られてその人のこと、気になってたよ。」
その言葉に、俺は完全に理性を失った。
悠兄の胸ぐらを掴んで、怒鳴った。
「─ッふざけんなよっ!!気になってる人がいたのに沙菜と付き合ってんじゃねぇよ!!」
悔しくて─
本当に好きな人を、適当な気持ちの奴に捕られたなんて、悔しくて──
後には引けなかった。
「…冷静に話聞けよ…?」
自分の胸ぐらを掴んでいた、俺の手を力強く掴み、離させた。
睨む俺の目を真っ直ぐ見る。
「俺は本気で沙菜が好きだ。」
迷いなく言い放たれた一言。
決して大きな声だったわけじゃない。
静かに、ゆっくりと、自分の気持ちを揺るぎなく、伝えていた。
それでも、悠兄の声は周囲の雑音に消されることなく、はっきりと俺の耳に届いた。
「…確かに、気になってる人はいた。けど、それは沙菜への想いが叶わないと思ってたから…逃げようと、違う想いを探してたんだ。」
──っ
バッ
悠兄に掴まれていた腕を、無理矢理振り払う。
「…俺は…叶わないとわかっても…逃げなかった。」
「…雅樹…?」
「叶わない…今でも…沙菜が好きだ…。」
そう言い残し、その場を去った。
悠兄は・・・引き止めてこなかった。
「…確かに、告られてその人のこと、気になってたよ。」
その言葉に、俺は完全に理性を失った。
悠兄の胸ぐらを掴んで、怒鳴った。
「─ッふざけんなよっ!!気になってる人がいたのに沙菜と付き合ってんじゃねぇよ!!」
悔しくて─
本当に好きな人を、適当な気持ちの奴に捕られたなんて、悔しくて──
後には引けなかった。
「…冷静に話聞けよ…?」
自分の胸ぐらを掴んでいた、俺の手を力強く掴み、離させた。
睨む俺の目を真っ直ぐ見る。
「俺は本気で沙菜が好きだ。」
迷いなく言い放たれた一言。
決して大きな声だったわけじゃない。
静かに、ゆっくりと、自分の気持ちを揺るぎなく、伝えていた。
それでも、悠兄の声は周囲の雑音に消されることなく、はっきりと俺の耳に届いた。
「…確かに、気になってる人はいた。けど、それは沙菜への想いが叶わないと思ってたから…逃げようと、違う想いを探してたんだ。」
──っ
バッ
悠兄に掴まれていた腕を、無理矢理振り払う。
「…俺は…叶わないとわかっても…逃げなかった。」
「…雅樹…?」
「叶わない…今でも…沙菜が好きだ…。」
そう言い残し、その場を去った。
悠兄は・・・引き止めてこなかった。