愛しいキミへ
また冷えた麦茶を入れてきてくれる。
ピピッとクーラーの電源を切り、窓を開けた。
閉める前とは違い、涼しい風が入ってくる。
「兄からの最後のプレゼントを大切にしているだけだよ。俺を好きなわけじゃない。」
座って麦茶を飲みながら言う悠兄。
それを聞いて自虐的に笑う俺。
「何でそんなこと言えるの?わからないじゃん。沙菜の気持ちなんて。」
「わからないよ。…でもこれだけは言える。沙菜にとって雅樹は特別な存在だってこと。」
「なにそれ?意味わかんない。」
悠兄がなんでそういうのかわからない。
俺は沙菜にとってご近所の幼馴染み。
それがどうして特別だって言えるの?
悠兄は俺に優しく笑いかけて続きを話した。
「雅樹だけだぜ。沙菜が呼び捨てにするの。」
「…それは俺が幼馴染みだからで…関係ないよ。」
「俺はそうは思わない。それに俺が別れ話をした時、怒って泣いたけど…引き止めはしなかったし、あれ以来会いになんて来ない。」
俺は・・・引き止められた。
卒業式の日に会いに来てくれた。
・・・それが悠兄と違うと言うの?
「雅樹。沙菜から会いに来るのを待つな。お前から会いに行けよ。…じゃないと他の奴に沙菜をとられるぞ。」
他の奴にとられる───
考えただけで息が止まりそうになった。
悠兄でも俺でもない奴が・・・沙菜の隣にいるなんて・・・嫌だ
「…でも…無理だよ。好かれてる自信がねぇよ。」
弱気に話す俺。
すると、ずっと向かい合って座っていた悠兄が俺の隣に来る。
隣に座って携帯を開いた。
ピピッとクーラーの電源を切り、窓を開けた。
閉める前とは違い、涼しい風が入ってくる。
「兄からの最後のプレゼントを大切にしているだけだよ。俺を好きなわけじゃない。」
座って麦茶を飲みながら言う悠兄。
それを聞いて自虐的に笑う俺。
「何でそんなこと言えるの?わからないじゃん。沙菜の気持ちなんて。」
「わからないよ。…でもこれだけは言える。沙菜にとって雅樹は特別な存在だってこと。」
「なにそれ?意味わかんない。」
悠兄がなんでそういうのかわからない。
俺は沙菜にとってご近所の幼馴染み。
それがどうして特別だって言えるの?
悠兄は俺に優しく笑いかけて続きを話した。
「雅樹だけだぜ。沙菜が呼び捨てにするの。」
「…それは俺が幼馴染みだからで…関係ないよ。」
「俺はそうは思わない。それに俺が別れ話をした時、怒って泣いたけど…引き止めはしなかったし、あれ以来会いになんて来ない。」
俺は・・・引き止められた。
卒業式の日に会いに来てくれた。
・・・それが悠兄と違うと言うの?
「雅樹。沙菜から会いに来るのを待つな。お前から会いに行けよ。…じゃないと他の奴に沙菜をとられるぞ。」
他の奴にとられる───
考えただけで息が止まりそうになった。
悠兄でも俺でもない奴が・・・沙菜の隣にいるなんて・・・嫌だ
「…でも…無理だよ。好かれてる自信がねぇよ。」
弱気に話す俺。
すると、ずっと向かい合って座っていた悠兄が俺の隣に来る。
隣に座って携帯を開いた。