愛しいキミへ
ため息まじりに母さんが「そうよ。」と肯定する。
今も部屋の机にかけてある。
「…なんで言ってくれなかったの?」
背を向けたまま質問を投げかけた。
「沙菜ちゃんが『雅樹の邪魔をしたくないので、私からって言わないで下さい』って言ってたから。何で沙菜ちゃんからだと邪魔になるのかわからなかったけど、頼まれたから黙ってたのよ。」
「…わかった。」
黙っていた理由を聞いて、急いで部屋に戻った。
机には二つのお守りがかけてある。
一つは直哉とタケから。
そしてもう一つのピンクのお守りが・・・
「…沙菜からだったのか…。」
それを考えると納得できるこのお守りの見た目。
ピンクで可愛らしく、男は持つのをためらう感じ。
沙菜が好んで選びそうなお守りだった。
『邪魔をしたくない』
沙菜がこう言ったのは、本当に俺の気持ちを考えてのこと。
受験の前に沙菜からお守りをもらったなんてわかっていたら・・・きっと俺は沙菜のことを考えてしまい、受験に集中できなかったと思う。
嬉しい気持ちや何でお守りをくれたのか、俺への気持ちはどうなったのか、色々な気持ちで頭がかき乱されたことだろう。
お守りを手に取り、ベッドに横になった。
部屋の外では、父さんが帰ってきた物音や話し声が聞こえる。
それ以外は聞こえない静かな部屋でお守りを見つめる。
沙菜は何で俺にこれをくれたんだろう?
受験を応援してくれた・・・?
俺のことを忘れないでいてくれた・・・?
「知りたい…。」
俺が呟き思っていることを、聞く人は誰もいない。
知りたいなら自分で動くしかない。
今も部屋の机にかけてある。
「…なんで言ってくれなかったの?」
背を向けたまま質問を投げかけた。
「沙菜ちゃんが『雅樹の邪魔をしたくないので、私からって言わないで下さい』って言ってたから。何で沙菜ちゃんからだと邪魔になるのかわからなかったけど、頼まれたから黙ってたのよ。」
「…わかった。」
黙っていた理由を聞いて、急いで部屋に戻った。
机には二つのお守りがかけてある。
一つは直哉とタケから。
そしてもう一つのピンクのお守りが・・・
「…沙菜からだったのか…。」
それを考えると納得できるこのお守りの見た目。
ピンクで可愛らしく、男は持つのをためらう感じ。
沙菜が好んで選びそうなお守りだった。
『邪魔をしたくない』
沙菜がこう言ったのは、本当に俺の気持ちを考えてのこと。
受験の前に沙菜からお守りをもらったなんてわかっていたら・・・きっと俺は沙菜のことを考えてしまい、受験に集中できなかったと思う。
嬉しい気持ちや何でお守りをくれたのか、俺への気持ちはどうなったのか、色々な気持ちで頭がかき乱されたことだろう。
お守りを手に取り、ベッドに横になった。
部屋の外では、父さんが帰ってきた物音や話し声が聞こえる。
それ以外は聞こえない静かな部屋でお守りを見つめる。
沙菜は何で俺にこれをくれたんだろう?
受験を応援してくれた・・・?
俺のことを忘れないでいてくれた・・・?
「知りたい…。」
俺が呟き思っていることを、聞く人は誰もいない。
知りたいなら自分で動くしかない。