愛しいキミへ
クリスマスを一週間前に控えた今日、俺は直哉とタケと三人でショッピングセンターへと来ていた。
二年前に直哉とクリスマスプレゼントを探し回った、あのショッピングセンターだ。
今日の予定も、もちろんクリスマスプレゼント選び。
と言っても、俺は付き添い。
プレゼントを買うのは直哉とタケだ。
買い物が終わったら、三人でカラオケだと誘われたから・・・来た。
じゃなかったら、一人あげる相手のいない俺は、今日付いてきたくなかった。

「タケは何あげんの?」
「無難にアクセサリーかなぁ~。直哉は?」
「俺は腕時計。こないだ欲しがってるのがあったから、それをあげようと思ってさ。」
「どこの店?」

ショッピングセンターに着いた途端、二人はウキウキと買い物気分。
その様子を冷静に見ている俺。
幸せそうでいいなぁ・・・
なんてちょっと羨ましくなる。

「この雑貨屋だったと思う。」
「現在地がここだから…直哉の行きたい店のが近いな!そっち先に行こうぜ♪」

案内板で店の位置を確認した二人は、目的の店へと歩き出す。
それに付いていくように俺も歩き出す。

ショッピングセンターの中は色々なところにクリスマスツリーが置いてあった。
ツリー以外にもクリスマスの飾り付けがたくさん。
店内BGMも聞き慣れた定番クリスマスソングだ。

楽しい雰囲気たっぷりの店内。
歩く人たちも心なしか、普段より楽しそうに感じてしまう。
もちろん、一緒に来ている友達二人もだ。

少し歩いて目的の雑貨屋を見つけた直哉たち。
店内に入って行くから、続いて俺も入った。
二人は腕時計のコーナーを見始めたので、俺は店内を適当にウロウロ。
意味もなく近くのぬいぐるみを手に取ったりしてみた。

触り心地のいいぬいぐるみをフニフニしていると、タケが俺の隣に来た。
直哉はレジに向かった様子。
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