愛しいキミへ
「…俺が悪かった。自分だけ彼女いなくて、楽しめないのが悔しかった。」
「雅樹がそういう感情出すのも珍しいけどさ、悔しいなら動けってことだよ。」
「わかってる。…タケは気づいてたかな?」

ラッピングされたぬいぐるみを持って店から出てきたタケが見えた。
笑顔で足取り軽く、俺らの方へ向かってくる。

「…頭の中が由香利ちゃんでいっぱいで気づいてないんじゃね?」
「確かにそうかもな。」

ニッコニコのタケを見ながら二人で笑った。
自分のことを見て笑っているのに気づいて、タケは不思議そうにする。
スキップしそうなほど軽い足取りを二人でつっこむ。

「…浮かれてるよ!悪いかよ!」

と、少し拗ねたタケが可愛かった。
この様子じゃ俺のことに気づいてないな
幸せで楽しい雰囲気を壊さなくて良かった・・・

「ほら!次はアクセサリーショップ行くぞ!直哉おすすめのところ案内してよ!」
「りょうーかい。雅樹もボーッとしてないで行くぞ!」
「…わかってるよ!」

笑顔で二人と歩き出す。
ザワザワと騒がしいショッピングセンターは楽しんでいる人ばかり。
いつまでも一人だけうじうじしているのはやめなきゃな!

「このぬいぐるみとアクセサリーか…。こんなにプレゼント貰えるなら、タケの彼女になろうかな♪」
「お断り!俺の彼女は由香利ちゃんだけだ♪」

いつもの俺っぽいテンションでタケにからむ。
そうすると心のモヤがスッとした感じがした。
この二人にイライラしたり八つ当たりなんてして、気分が明るくいられるわけがなかったんだ。

三人でワイワイと笑い合いながら、アクセサリーショップへと歩いた。
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