愛しいキミへ
作業に集中していると、後ろからポンッと軽く肩を叩かれる。

「私語多すぎ!手伝うよ♪」

笑顔の中津さんが俺の後ろにいた。
残っているDVDの半分を持って手伝い出してくれる。

「あっ。ありがとう。助かるわ!」
「いーえ♪私も休憩時間になるから一緒に休憩したいしね。」

そう言うと少し離れた棚に行ってしまった。
手伝ってくれる行為は嬉しいが・・・中津さんからの好意は困るな・・・
なんて親父ギャグを頭の中で考えながら仕事をした。
手伝ってもらったおかげで、思ったより早く戻し終えた。

「じゃあ休憩しよう~♪」
「そうだね。休憩入りますー。」

近くにいた人に声をかけて、事務所に入った。
ご飯を買いに行こうと思い、すぐに上着を羽織る。

「あれ?藤川くんどこ行くの?」
「食べ物を買いにコンビニに行って来る。中津さんは先に食べてて良いから。」

・・・買いに行って、コンビニのイートコーナーで食べよう
二人きりになるのを出来るだけ避けたい俺。
事務所を出ようと扉を開けた。

ガタッガタガタッ
「私も今日は持ってきてないんだよね!一緒にファミレス行こうよ♪休憩一時間もあるんだし!」

慌てたように上着を着た中津さん。
手を引かれて、半ば強引にコンビニの上にあるファミレスへと入った。
・・・弁当のような物が見えたのは、あえて口にしないでおく。

メニューから食べたいものを選んで注文。
ドリンクバーから俺はコーラ、中津さんはメロンソーダを取ってきて席に着く。
中津さんとバイト先以外で一緒にいるのは初めてで・・・なんだか緊張してしまう。
料理が一秒でも早く来ないかと望みながら、コーラを一気飲み。
すぐにドリンクバーへおかわりを取りに行った。
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