愛しいキミへ
偽りの恋
暖かい日差しの日が多くなってきた頃──
卒業式が近づいてきた。
そんな時期に、俺の学年で有名な噂が一つ。


【沙菜と卒業した悠太先輩が付き合ってる】


可愛くて、明るい性格の沙菜。
卒業しても名が残っている悠兄。
2人が付き合って、がっかりしてるやつは多くいた。
噂が広まるのも当然って言えば、当然かもしれない。

そんな中で密かに噂されていること──


【藤川雅樹が若井沙菜に振られた】


一部の女子の中で噂されているらしい。笑

厳密に言えば、振られてはいないんだけど・・・
まぁ・・・振られたようなもんか。

その噂のせいなのか、卒業前のせいなのか・・・
最近、よく告られる。
俺だって・・・一応モテるんだっ!

中には可愛い子もいた。
だけど、俺が告白を受け入れることはなかった。
本当は、新しい恋を探すべきなのかもしれないけど、沙菜以上に可愛くて、心ときめく女の子がいない。

今でも、沙菜が欲しい・・・。
めちゃくちゃ沙菜が欲しい。
そばにいたい。

俺って諦め悪すぎだっつう〜の
悠兄と沙菜が別れれば、ずっと一緒にいた俺が、一番チャンスあんのになぁ〜・・・

俺の意思とはウラハラに、沙菜と悠兄は相変わらず仲が良く、上手くいっていた。
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