愛しいキミへ
──ッ!!

タケの手には、可愛げな封筒。
下駄箱に入っていたラブレター!
鞄に詰め込んでたの忘れてたっ!!

とっさに身を乗り出し、タケの手からラブレターを奪おとした。
それぐらい予測できるもの。
タケは上手くかわして、封筒を開けていく。

「いや〜。雅樹君はモテモテですね〜。」
「ちょっ!マジやめろって!!」
「隠さなくてもいいじゃんか〜♪」

必死で奪おうと試みるが、だめだった。
タケは封筒の中身を取り出し、読み始める。

「なになに。…雅樹君へ。突然のお手紙ごめんなさい。」
「…ふざけんなよ〜。」

読み始められては、もう奪う気も失せる。
そっぽを向いて、ポテトを半ばヤケ食いする。
けど、耳はタケの声に傾けた。

【雅樹君へ

突然のお手紙ごめんなさい。
私は、2組の青柳(アオヤギ)由香利です。
去年同じクラスでした。
あんまり話したことなかったけど、卒業する前に伝えたいことがあります。
今日の放課後、雅樹君の家の近くの公園で待ってます。
来るまで、待ってます。
来てください。

青柳由香利より】


あぁ〜
青柳か・・・
こんな手紙来る時点で、話聞かなくても、伝えられることくらいわかる

って・・・
【来るまで、待ってます】?
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