愛しいキミへ
携帯を見ると、すでに19時を回っている。

「由香利ちゃん可愛いじゃん〜。いいなぁ雅樹。」

タケの羨ましがる声なんて気にしる場合じゃなかった。
さすがに、もう待ってねぇよな・・・。

「行かなくていいわけ?由香利ちゃん、待ってそうだよ。」
「わかんの?」
「もちろん。可愛い子は嘘つかない!」

バシッ
軽くタケの頭を叩き、鞄を持ち立ち上がる。

「悪いっ!先帰るっ!!また明日〜。」
「いてぇなぁ。じゃあな。」

タケに一言言って、マックを出る。
待ってるかわかんないけど、書かれていた公園へと急いだ。
外はすでに暗く、昼間の穏やかな暖かさと違い、まだ冬が残っていることを感じさせる肌寒さがあった。

15分くらいで、手紙に書かれていた公園に着いた。
近くのマンションの灯りと、街灯のみで照らされた公園の中。
薄暗い公園を見渡す。

同じ制服の女の子がブランコに腰掛けていた。
急いで駆け寄り、声をかける。

「青柳…?」

一瞬、ビクッとして顔を上げて、俺を見た。
その表情は、小さな笑顔が溢れていた。

「ごめんっ。来るの遅くなって。」
「…ううん。来てくれないかもって思ったから…来てくれて嬉しい。」

肩の辺りで切り揃えられたストレートの黒髪。
可愛い顔立ちに、ナチュラルメイク。
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