愛しいキミへ
タケへメールを送った後に、沙菜からのメールを開く。

【やっほ〜☆明日卒業式の後3人でお祝いしない?】

明日の誘いメールだった。
久しぶりに誘われた・・・。
3人で卒業祝い楽しそうだけど、さっき見た光景が目の前をちらつく。

ハァ
深くため息をつき、覚悟を決めてメールを打つ。

【ごめんッ!今日、可愛い彼女出来てさぁ〜明日は彼女とデートなんだ。誘ってくれてサンキュー。】

メールを送ると、すぐに返事が返ってきた。

【ホントに〜!?誰!?いつの間に彼女が出来てたの!?聞いてないよぉ!てか、ラブラブっぽいねぇ♪】

カチッカチカチッ
【ラブラブなのかなぁ。彼女のこと大好き】

返事を返そうとして手が止まる。
少し考えて、文を打ち直す。

【ラブラブなのかなぁ。そうだと良いな。】

自分を偽った。
そんな俺の最後のプライド。
本当に好きになれるまで、好きとは言わない。
沙菜に・・・他の女を好きだなんて言えない。
彼女が出来たと伝えることが、精一杯だった。

偽りつつも、残ったプライドのメールを送り、携帯の電源を切る。
──今日は、もう疲れた
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