愛しいキミへ
「・・・。」

・・・あれ?
いつものように、笑顔で喜ぶと思ってたのに・・・無言?
ちらりと由香利の方を見ると、難しい顔をしていた。

俺・・・
なんか変なことでも言ったかな・・・

無言のまま、ファーストフードの店に着いた。
飲み物とポテトを注文して席に着いたが・・・重い空気のまま。
注文の時こそ、口を聞いたが、それ以外は黙ったままの由香利に、自分の言ったことがおかしかったのかと不安になった。

・・・もしかして、こういうプレゼントってサプライズにするべきだったかな・・・
それなのに、なにも考えずに聞いたから、怒ってる?

付き合ってから、ケンカらしいケンカはしたことがなかった。
ただ、俺が沙菜の話をすると、悲しそうにして、気まずくなる。
それを笑顔で誤魔化す。
それだけだった。

店内は、冷房が効いていて涼しいはずなのに、背中に冷たい汗が流れる。

謝るべきか?
でも、怒ってるとも限らないし・・・

「…それって、物じゃなくてもいいの?」
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