愛しいキミへ
三人
俺と沙菜が初めて出会ったのは、まだ二人が幼稚園に入る前の頃だった。
このマンションが新しく出来て入居した日。

同じ階に部屋があり、子どもが同い年で同じ幼稚園に通うってことで母親同士が仲良くなった。

この時から、幼なじみの関係が始まったんだ。

そして・・・もう一人。
マンションで同じ階、同じ幼稚園の子がいた。

緒川悠太（おがわゆうた）
歳は一つ上だった。

俺達の母親は三人一緒に仲良くなった。
だから、よく親同士が集まってお茶をしたりしていた。
そうすると、俺と沙菜と悠太…悠兄の三人はいつも顔を合わせていた。

自然と幼稚園でも三人でいることが多くなった。
幼稚園から帰ると、三人でマンションの前にある公園で遊んだ。
三人とも一人っ子だったから、兄妹みたいに育っていたんだ。

小学校に行っても、三人の幼なじみの関係が続いた。

悠兄は学年が一個上にも関わらず、いつも俺と沙菜の二人のところに来てくれていた。

登校は毎日三人で。
下校も三人で・・・。
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