愛しいキミへ
よく沙菜が
「ずっと三人で仲良しでいようねっ」
って言って

「当たり前だしっ!ねっ悠兄!」
って俺が受け答えて

「そう言う雅樹が真っ先にグレて離れたりしてな。」
って悠兄に笑いながらからかわれて・・・
三人で笑い合ってた。


三人だったおかげか、幼なじみでいつも一緒にいた俺達をからかうやつはいなかった。

だから、高校生になった今でも幼なじみの関係が続けられたんだ。

幸せだった

楽しかった

いつまで三人でいたかった



でも──
そんなの無理だった。

いつからだったかは、はっきりと覚えていない。
小学校の二年生の時だったかな・・・
沙菜に恋心を抱いたんだ。
恋だと自覚したのはこの頃だったけど、もっと小さな時から恋してたと思う。

きっと、いつも沙菜と一緒にいた俺にとってそれは、必然的な想いだったに違いない。

子どもだったから・・・
「好き」って気持ちだけで良かった。

いつまでも想っていられる

いつまでも一緒にいられる

いつでも気持ちを伝えられる


─そう思ってた。

けれど、俺が沙菜を好きになったように、沙菜も必然的な恋心を抱いていた。

沙菜は・・・悠兄を好きになっていた。

何も言わなかったけど、なんとなく感じとれた。
< 6 / 276 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop