愛しいキミへ
付き合い出してからの恒例は、一緒に登下校。二人で帰る道のりは早い。
あっという間にマンションへと着いてしまう。

「それじゃあ、また明日ね♪朝のお迎え待ってますっ☆」

一緒にマンションの中に入り、俺の家よりエレベーターの近くにある沙菜の家に着く。
すぐに帰ろうとする沙菜を寂しく思う。
もっと一緒にいたいな・・・

「…あのさ、この後一緒に勉強とか出来ないかな?」

ちょっと控えめに尋ねる。

「良いけど…どこでやるの?」
「えっと〜…俺の部屋…とか?」

うつむいて考える沙菜を見て、返事が怖くなる。
あれ・・・
俺なんか変なこと言ったかな・・・
いや、言ってるか
俺の部屋で勉強とか誘ってるぽいよな・・
特に深く考えないで言うんじゃなかった〜・・・

「あっいや…部屋って言ってもドア開けとくし、ほら!もちろん他の部屋には母親いるしっ!」

俺の必死のフォローを聞いて、顔を見つめる沙菜。

・・・フォローになってねぇ〜
今のって下心あるやつのフォローの言葉じゃね!?
自分の言った言葉でわたわたと慌てる俺。

「…ぷっ」
あははっと笑い出した沙菜。
嫌がると思っていた俺は、意外な沙菜の反応で、きょとんとしてしまう。

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