愛しいキミへ
「ほら、雅樹ってばHなこと考えてる〜。そんな心配してないよ。ただ…ちょっとおばさんに会うのが気まずいなぁ〜って…。」

沙菜の言葉を聞いて、思い出した。
お互い親には付き合っていることを言っていない。
幼なじみの俺達は昔から一緒にいることが多かった。
そのためか、母さん達には、高校三年生になった今でも「あなた達仲良いわね〜」と笑い飛ばされてしまう。
わざわざ言う必要もないし、言えない事情も少し・・・あるし。
付き合って3ヶ月、言わない状態が続いていた。

「別に大丈夫じゃね?付き合う前からよくうちには遊びに来てたし。今さら疑わないって!」

それに俺の母親ニブイし。
沙菜が来たって絶対に疑われない自信がある。

「そうかな?…じゃあ、お邪魔しようかな♪」

着替えてから行くという沙菜と別れて、二部屋挟んですぐの自分の家へと入る。

自分の部屋に寄らないで、キッチンへと向かうと、今さらながら韓流ドラマにハマリ、レンタルしてきたビデオを見る母さんがいた。

ビデオに夢中で俺に気付いてないし・・・

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