愛しいキミへ
二人と一人
小さい時から、三人だった俺たちの幼なじみ関係。
三角関係だった俺たち。
けど、沙菜と悠兄が近づいていくことは止められなかった。

はっきりと覚えている。
悠兄が高校へ進学した春。

地元じゃ、結構上のレベルの高校に入学していた。
俺と沙菜も、もちろん悠兄の行った高校が目標だった。
だから、二人揃ってよく勉強を教えてもらいに行っていた。

「雅樹も沙菜も勉強出来るんだから、こんな毎日勉強しなくても大丈夫だって!」

コロコロ笑いながら、明るく教えてくれる悠兄。
その横で嬉しそうに、勉強を教わる沙菜。
少し胸は痛んだけど・・・三人一緒にいられる間は安心出来た。

「悠ちゃん行ったとこ、レベル高過ぎっ!」
「ホントだよなぁ〜。後から追っかける、俺らの身になってよ!!」
「あのな〜。二人揃って、無理して俺の後追っかけなくて良いっつーの。行きたいとこ行けよ。」

──♪〜♪♪〜
楽しい会話を裂くように、誰かの携帯が鳴り出した。
無造作に置かれた三台の携帯電話。
その中の一台が、明るいランプの光とメロディーによって、電話を知らせていた。
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