愛しいキミへ
「俺も話したかったんだよね。てか、悠兄。俺にもタバコ頂戴♪」
「未成年が何言ってんだよ。吸えもしないくせに。」
「いやいや。大学生とは言え悠兄も未成年だから。」

新しいタバコに火をつける。
あれ?
今ってタスポがないと自販ではタバコ買えないんじゃ・・・
率直に疑問に思ったことを尋ねると・・・

「親のをちょっと拝借♪雅樹は悪いことすんなよ。」

おどけて話す悠兄は、昔と変わってなかった。

悠兄が話したいって言うから何かと思ったけど、とりとめない話だった。
お互いの学校のこと・・・
家族のこと・・・

夢中になって話していて、気付いたら結構な時間が経っていた。

ヤバい・・・沙菜待たせ過ぎだ
せっかく機嫌直ってたのに、また怒られる〜・・・

「悠兄。俺そろそろ帰るわ。」

じゃあね、またゆっくり話そうね、と挨拶をする。
寄りかかっていたガードレールから体を離して帰ろうとした。

「…雅樹。最後に聞きたいんだけど…。」

ゆっくりと気まずそうに悠兄に声をかけられた。
悠兄を見ると、下を見てうつ向いていた。
さっきまでとは様子が違う悠兄を見て、何て言えば良いかわからなかった。
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