彼と彼女
「先生はなんで職員室でご飯食べないの?引きこもり?」

たまご焼きを頬張りながらひどいことぬかしやがる。

「移動するの面倒くさいだけ。」

「ふーん。あたしも今日から此処でご飯食べよっと。」

箸を置いて笑う染川。

「は?何言ってんのお前」

「ふふん。あ、ツナマヨ頂戴。」

「あ、こら勝手に俺の昼飯パクるなっ」

「そんな先生にはあたし特製のうさぎさんリンゴをくれてやろう。」

「果物と炭水化物だと腹持ちが違うだろうが」

「細かいこと気にすんなって」

「お前なぁ…。」

いつの間にか俺の周りをうろちょろするようになったこいつ。本当に何がしたいのかわからない。 ツナマヨのにぎり飯を俺から掠め取ると、美味そうに頬張り始めた。
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