★地味な女と学園王子☆






『お、お前ヤったことあんの!?誰と!?』




道端で大声で叫ぶ花笠の叫びに道行く人々が皆俺達を怪訝そうな目で見てくる



視線が超痛い…




『花笠、お前さもう少し声おとせよ

大声でこんなん話してる俺ら変態に思われるじゃん』



『あ、ゴメン』



『ったく…』



いないだろうけど、もしも近くに安佐奈南がいたら最悪だ



『さっさと帰るよ』



だらだら歩いていた俺らはあまり学校から離れた距離にいなかった



それがいけなかった



足早に歩きだした俺は後ろにいる藍達をみて言ったが…


思いもしない人物が後ろにいたから





『…………』



「…………」



とことん不幸な俺
不幸すぎる俺



後ろにいたのは軽蔑したような表情で俺を見ている安佐奈南だった





『…あッ、こ、これはっ』


頭がついていかなくてとりあえず言い訳をしようと喋り始めた俺


だけど…




「エッチしたことあるからって、自慢するようなことじゃないですよ…」



『あ、はい…
おっしゃるとおりで…』



「したことが偉いなんて思わないで…

女の子はそんなこと思われてても嬉しくないし、悲しい

そこに気持ちがなきゃ惨めになるの」




俺のさっきの意地はった発言を次々と否定していく安佐奈南




その声はなんだか怒っているみたいで…




『あさな…』



「やっぱり…
あなたは最低です…

私はそんな顔だけいい人なんかに引っ掛かったりしません!!!」




最後俺を睨みながら大声でいった安佐奈南は俯き俺達の横を通り過ぎた




「失礼します」



安佐奈南が最後に言った言葉が最後みたいで


ズキッと胸が痛んだ





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