★地味な女と学園王子☆
「まぁ、恥ずかしいことも言えるはずですよね
あなたにとっては所詮くだらない言葉でしょうから」
俺に疑いの目をむける安佐奈南は怒っているようで…
俺を睨み付けている
『あの…』
「残念でしたね
私はそんな甘い言葉を言われてコロッといくバカな女と違いますから
あなたを好きって人は沢山いると思いますから
これ以上私に関わりあわないでください」
言ってやったみたいな感じにふんっと鼻をならす安佐奈南を俺は呆れて見ることしか出来なかった
鈍感にも限度があるだろ
その前にどんだけ俺信用ないんだって感じ?
『っつーか関わりあうなって無理だよ
俺隣の家だし
近所付き合いとかあるじゃん』
「それは仕方ないです
ちゃんと相手してあげます」
上から目線だよ…
「だからご近所さん以下でも以上でもないです
それだけです
その一線を越えないでください
越えてこないでください…」
最後弱くなった言葉が気になりながらも俺は俯く安佐奈南を見つめる
「これからもよろしくお願いします
ご近所の加山さん」
気のせいかもしれないけど、どこか悲しげな笑みをみせた安佐奈南はご近所の加山さんって言葉を強調して言った後、そそくさと自分の家に入っていった
俺はその後ろ姿を見送って家の中へと入っていった
安佐奈南のご近所の加山さんって言葉が
痛いくらいに胸に突き刺さったのは気付かぬふりをして…