★地味な女と学園王子☆
それに何か言わなきゃいけない気がして
「あ、あの!」
私は思わず呼び止めてしまった
『ん?』
優しい表情で私を見て首を傾げる加山月はどれだけ心が広いんだろうか
「あ、ありがとう…ございます
そう言って…くれて…」
やっぱり真っ直ぐ目を見ながらは言えなくて
目を横に向けながら言った
そんな私を見てキョトンとした加山月だけど、すぐにフッと笑顔をみせた
『ツンデレだね』
「つ、ツンデレ?」
ってなに?
私は意味が分からず眉をひそめる
『ツンツンしてても、デレッていうか優しい一面?をツンとした後にすぐに見せてくれる子
安佐奈南』
私を指差しながら言った加山月
その言葉に顔がみるみる熱くなっていく
『可愛い』
それでもなお、恥ずかしい言葉を繰り出す加山月
どうしたらいいか分からなくて、顔を真っ赤にしながら無言で俯いた
『キスしちゃいたい』
ぽっと平気でそんな言葉を口にする加山月を私は俯いていた顔をバッとあげ睨んだ
「たらしっ」
『え?』
「エッチ!」
『ちょッ!!!』
私は加山月にそんな言葉を投げ掛け加山月が口にしかけた言葉も聞かずにあけていた自分の部屋の窓をひどく閉めた
その途端バンッという大きな音が部屋に響いた
ふと閉めた窓の向こうを見てみたけど、さっきまであった加山月の姿が消えていた
不思議に思いながらもあまり気にしないようにせず、再度荷物を片付けだした