★地味な女と学園王子☆
ピーンポーン
家のチャイムがなったのが聞こえた
『はーい』
とお母さんの声が聞こえると同時にバタバタと足音も聞こえる
あまり気にせず片付ける手を動かし続けるが
『あら〜、あなた』
『こんにちは!
ちょっとあがらしてもらっていいですか?
安佐奈さんに話があるんです』
お母さんの声の後になぜか加山月の声が聞こえる
『どうぞー』
お母さんはすんなりとOKをだし、加山月が二階にあがってくる足音がする
「やっ、ど、どうしよッ」
あたふたとしていても何もならないし思いつかない
「ね、寝たふりッ」
私はベッドに勢い良く飛び込み狸寝入りをしはじめた
直後―…
コンコンとノックする音が聞こえた
『安佐奈南?』
ドアの向こうから加山月の声
でも返事はせず
『入るよ?』
その言葉にビクッと体を揺らした時
加山月が部屋に入ってきた
ガチャっという音が聞こえて
私の近くまで来たのが分かる
『…可愛い』
呟きながら私の頭に手を置き私の長い髪を綺麗な手で触れる
『寝てるから意味ないかもだけど
俺…誰ともしたことないし、付き合ったこともない
バスケばっかしてたバスケ馬鹿で、恋愛なんてまったく興味なかったし
どっちかっていうと恋愛のこと馬鹿にしてた
だけど、あんたに会って
分かった
一目惚れだよ
好き』
私が眠ってると思って話し掛けてる加山月は
私の頬に柔らかい唇をおしあてた
でも、さっきの言葉を聞いて
安心したのかな?
私、嫌じゃなかった…