★地味な女と学園王子☆
side月
『月?どうした?』
『いや…、ちょっと…』
さっきぶつかってしまった子
理由は分からないけど怒ってた
ぶつかったことを怒ってんのかな?
それ以外に思い当たるふしがない
でもそうじゃないかもしれないし
謝った時に勘違いでしたなんて恥ずかしい
謝りたいのに謝れないでいる俺
俺の名前は
加山月(カヤマツキ)
今日この学校に入学する一年生だ
でも入学前、早々に嫌われたみたいだ
『あの女の子めっちゃにらんでたもんな…』
入学前なのに嫌われるなんて最悪だ
思いながら暫くつったっていたけど解決策なんか見つかりゃしない
『おい!いつまでつったってんだよ!入学式始まるぞ!』
『あ、うん…』
友達の言葉に力なく返事をし仕方なく考え事は置いておいて歩きだした
こんなことで悩んだりするなんて自分女々しいな…
思ったりするけど昔からの性格だから直せない
そんなこんな結局色々考えているうちに体育館へと足を踏み入れた
見渡してみれば人、人、人!
人でうめつくされていた体育館はなんとも気持ち悪かった
『月!適当に並んでるっぽい!
俺らここにいようぜ!
死角になってて寝れそうだ!』
『あ、あぁ…』
くだらないことを考えて並ぶとこを決める友達に苦笑いをみせる
少しそんな友達に呆れながらも俺は手招きする友達の元へ向かった
《新入生の皆さんは静かにしてください》
生徒会の人だろうか?
生徒の司会がマイクを使い言うとともにその場が静まり返った