★地味な女と学園王子☆






『ふふッ、いいのよ
突然お邪魔しちゃったんだもの』




優しく言って微笑む光さんは加山月に似ていた



加山月の笑った顔はお母さん似だななんて考えながらもソファーからおりて光さん達にソファーに座ることをすすめる




「ど、どーぞっ」




『あら、いいの?
それじゃぁお言葉に甘えますわ

ごめんなさいね』



上品にそう言う光さんに私は首を横に振ることしか出来ない




『そんなに緊張しないで
私、南ちゃんと仲良くなりたいわ』




ソファーに座っている光さんの前にたたずむ私の手を握りいう光さんはとても綺麗だった




見ているだけで笑みがこぼれて



私の心は穏やかだった





『南、お母さん達今から加山さん達と飲むから月くんと上に言って話してきたら?』



ニヤニヤしながら言うお母さん



気をきかせたつもりだろうか



でも全然嬉しくない



不機嫌にお母さんを睨んでみるけどそれは簡単にかわされお母さんは私から加山月に顔をうつした




『南と仲良くね!』



『あ、はい』


にこやかに言うお母さんは私から見たら猫被りにしか見えなくて



苛々でリビングを後にした



『あ、待って!』



お母さんに笑顔を返していた加山月はリビングから出る私に気付き急いで私のもとに駆け寄ってきた





「ついてこないで!」


不機嫌な私は加山月が悪いわけでもないのにどうしようもないこの苛々を解消したくて八つ当たりする




『だっておばさんが仲良くって

それにあそこに俺がいてもやることないし』



笑顔でいう加山月だけど今はそんな笑顔も腹立たしくて加山月からそっぽを向き二階に足を進める





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