★地味な女と学園王子☆
『ねぇ…』
「なんですか」
『……安佐奈南ってさ
今で付き合った奴とかいるの?』
加山月の突然の質問に戸惑い、私はあけようとしていたドアを開くことが出来ず
ドアに頭をぶつけてしまった
『……え、なにそのドジ
大丈夫?』
眉をひそめ黙り込む私を覗き込みながら聞いてくる
「……いるわけないじゃないですかッ!」
あまりにも近い加山月との距離に恥ずかしくなり、私は加山月を押し退け自分の部屋に足を踏み入れた
『へー…
じゃぁさ、まだ処女なの?』
「えッ!?」
なんなんだこの人は…
とんでもない質問を投げ掛けてきやがった
『ねぇ、しょ…』
「えぇ、そうですよ
処女ですよ
悪いんですか!?」
処女という言葉を加山月から聞くのが恥ずかしくて、私は加山月の言葉を遮り睨みながらも開き直った
加山月は当然呆然としていて
口をぽかーんとあけて、間抜け面をしていた
「ふッ」
それがなんだか面白くて、我慢できずに笑みをこぼす
『…よかったぁ』
その直後、はぁっと長く息をついて加山月はその場に座り込んでしまった
「……よかった?」
なにがよかったのか
今の加山月の言動が理解できず、眉をひそめ尋ねると、加山月は私を満面の笑みをみせながら見上げた
『まだ、さ…
安佐奈南の初めて
もらえる可能性があるってことでしょ?』
フッと笑みをこぼしながら言う加山月
そんな表情がかっこよくて、今の言動を忘れて見惚れてしまう