★地味な女と学園王子☆
学校に着いた時には8時5分
走ったから思った以上に早く到着した
『間に合ったな?南!』
振り向きながら笑ってみせたけど、南はつらそうに肩で呼吸をしていた
「つ、月くんッ
ハァハァ…は、早いですっ
私、ハァ…見た目どおり運動オンチなんですから」
『ご、ゴメンっ』
膝に手をつく南の目線にあわせて手をあわせて謝る
一応…、無理させちゃったみたいだしな
「つ、つ、月くんッ
手!皆見てますから!」
横目でチラチラと視線を気にしながら顔を赤くさせて言う南
『あ、そっか』
その言葉で、南の手を放すけど
それが、手を握っていた手を寂しくさせた
「教室、行きますか?」
考え込む俺の顔を覗き込み言う南の言葉に、小さく頷いて足を教室へと進ませた