★地味な女と学園王子☆
《では、第○回如月高校入学式を行います
最初に校長先生挨拶です
お願いします》
進行役が言って校長が姿をあらわす
なんだか見た目優しそうな人だ
そう思ってもやはりどこの学校もそう
校長の話は長く軽く20分は喋っていた
かったるいな…
そう思い始めてやっと校長の話が終わった
『あのクソジジイ喋りすぎー!』
面倒くさそうに口悪くいう友達に何かを言うことはせず笑顔を返した
《次に新入生代表挨拶
安佐奈南さん》
「はい」
新入生代表さんが返事をする
どこかで聞き覚えのある声
それでもそれだけでは気付かなかった俺
いや、普通にそれだけで気付くはずがない
舞台にあがった新入生代表、安佐奈南をみて俺は目を丸くさせた
『あ…』
思わず声を出してしまった
『なに、知り合い?あの地味子。』
友達の言うことなんか耳に入らなかった
呆然とするだけの俺
俺に気付いているのかこちらを真っ直ぐみて睨む彼女は
朝会った女の子だった
でも朝会った時とは俺にとってはまるで印象が違っていて
思わず見惚れてしまった
決して格好とか、雰囲気とかいい訳じゃない
それでも瞳が綺麗すぎて、目が離せなかったんだ
小学生から今まで、恋とか興味なくて、大好きなバスケ一筋に生きてきた
それなりに女友達もいて楽しくやっていた
恋愛感情なんてもったことがなかった俺が
一瞬にして心を奪われて
恋に落ちた
一目惚れの瞬間だった―…