★地味な女と学園王子☆
早く死ななきゃ
早く早く早く!
無我夢中で走る私を、月くんは全速力で追い掛けてくる
『みなみーッ!』
そう叫ぶ月くんは必死な表情
今でもあの腕の中へ飛び込んでしまいたい
でも、ダメ
私は人を傷つける
追い付かれそうになりながらも必死で走って、やっと屋上に到着した
『みなっ』
「来ないでくださいッ!!!」
こっちへ走ってこようとする月くんに大声で叫んだ
私と月くんは息を乱しながらもお互いを見つめあう
あの女の子達は追い掛けて来てなくて、いない
ふと目をそらした私に、月くんが問い掛けてきた
『なんでこんな所にきたの?』
「………死ぬためです」
今更隠しても、どうせこの後の行動でばれてしまう
だからバラした
『は!?』
驚いた表情を見せる月くんはすぐに表情を歪めた
『なに馬鹿なこと……』
「馬鹿じゃないです!」
言葉を遮った私に、呆然とする月くん
「馬鹿じゃない…です
私がいたら皆苦しい
私がいなければ皆嬉しい
月くんも、苦しまずに済む」
震える声で必死に喋る私を、月くんは眉をひそめ睨んだ
『勘違いもいいとこ』
「……え?」
訳が分からず、間抜けな声をだし、間抜け面をする私に、月くんは近寄ってきて抱き締めてきた