★地味な女と学園王子☆
side南
申し遅れすぎました
初回から自分の名前を言わず長々と語っていた
安佐奈南です
読み方はそのままアサナミナミ
最初に詳しく説明したとおりの地味女だ
そんな私は今、新入生代表として舞台の上にいる
成績がよかったから新入生代表の挨拶するっていうシステムらしいけど
私はそれが気に食わなかった
成績がよかったなら人前に立たせるとかさせないでほしい
どれだけ恥ずかしいか、緊張するか、どれだけ人前に立つことを私が嫌いなのか
知ってほしい
新入生代表なんて、やりたい人や目立ちたがり屋
成績の悪い人にでも適当にまかせればいいのに
思っていてもやっぱり言えなくてこの場に立っている
もしそれが言えてるなら私はここに立っていないし今みたいじゃなくもっと大幅に変われただろう
心の内でため息をついていた時
大勢の生徒の中、朝会った失礼な男を目にした
私はそいつにキッと目をむけ新入生代表挨拶をした
挨拶なんてお決まりな言葉を言ってればいい
すべてしかれたレールの上を走っていればなんとかなるんだ
世の中を少し小馬鹿にしたような考えをしているうちにあっという間に挨拶が終わった
朝会ったあの男を見ていただけ
特になにもせず
私は軽くお辞儀をし再度朝の男に目をむけ壇上をゆっくりとおりた
『お疲れ樣』
にこやかな笑みを向けてくる若い女の先生
私は小さくお礼を返し列の一番後ろへついた
もちろん朝の男のとこなんかじゃなくてそこからもっと離れた後ろ