社会人と女子高生
加奈子が必死で俺の腕を掴む。

加奈子の手からは、震えが伝わってきた。

それを振り払い、由香里を追いかけた。

…今大切な人は、昔別れた同い年の女性じゃない…。

心が安らぐ、10歳年の離れた女の子…。

駅にいるかもしれないと、なぜか思った。

本能が示す通り急いで駅に向かう。


―約束された聖夜。雪の降りしきる夜はまるで、何かを悲しむような淡雪だった…―
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