社会人と女子高生
車のドアが開き、浅賀さんがはっきり見えた。


「由香里…乗って。」


言われるまま浅賀さんは車を走らせた。

浅賀さんの車に乗ることはそう多くない。

だからよけいに緊張していた。

車の中ではお互い、ずっと無言だった。


『…そういえばここ…どこなんだろ…。』


車はいつの間にか知らない場所を走っていた。


「…浅賀さん…どこに行こうとしてるの…?」

「…大丈夫。もう着くよ。」


そうして着いたのは大学だった。

ちょうど文化祭らしく、屋台が並んでいた。


「…もしかしてここ…。」
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