社会人と女子高生
見上げた目線の先にあるのは…俺達の母校である…大学。

もちろん、加奈子の願いを叶えるために…。


―数日前の会議室―
「…あのね…大学に連れてってほしいの…。」

「大学って…俺達が卒業した?」


予想していなかったお願いだった。


「そう!…それでもう亮君の事は諦める。」


その時の眼差しは真剣だった。


…そんな加奈子の願いで大学に来た。

由香里と来てから日にちはあまり経ってはいないが、文化祭の時と今とはまったく違う雰囲気だった。

事務に向かい、卒業生であることを告げ、大学内を歩く。
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