社会人と女子高生
加奈子を嫌いになったわけじゃない。

でも俺には大切な存在が…由香里がいる…。


「…ごめん。俺は加奈子の気持ちには応えられない…。」


返事を受け止めた加奈子は、ため息をつきながら背伸びした。


「はぁ…。すっきりした〜。私…亮君にはすごい感謝してる!ありがと!!」


笑顔を向ける加奈子。


「…今までゴメンね。私、バスで帰るから…バイバイっ!」


加奈子の後ろ姿は、今までで1番悲しく切なかった…。

かつて好きだった女性が去り際に見せた笑顔は、昔よりも柔らかで温かい笑顔だった…。
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