社会人と女子高生
助手席に乗り込むと、いつもと違う車の匂いがした。

…加奈子さんの香水の匂いだと、すぐにわかった。

いたたまれなくなる気持ちを抑えるのに、すごく必死だった。

目的地に着くまでの車は、静かな空気が流れていた。

ふと視線を窓の外に向ける。

するとそこは、あまり見慣れない土地が広がっていた。


「…浅賀さん?どこに…向かっているの?」


いつもは浅賀さんのマンションに向かっていたはず…。

でも目の前に広がる場所は普段、あまり通らない場所だった。

でも浅賀さんは『今にわかるよ』とだけしか言ってくれなかった。
< 149 / 169 >

この作品をシェア

pagetop