社会人と女子高生
浅賀さんのつらそうな顔よりも、笑顔が見たかった。


「…あっ、そうだ!」


笑顔といえば…喜ぶかと思って作ったものがあったことを思い出した。


「…浅賀さん!これ…。」

「これって…マフラー?」

「そうだよ…!本当はクリスマスの日に渡す予定だったんだけど…。赤…嫌い?」

「…いや、好きだよ。ありがとう。」


柔らかに笑う浅賀さん…。

それを見て嬉しくなった。


「…クシュ…。」


冬の高い所にいるせいか、少し肌寒い。


「…大丈夫か?」


そう言って浅賀さんは自分な着ていたコートを私に掛ける。
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