社会人と女子高生
ぼーっと窓を見てそんなことを思い出していた。

高校最後の年という実感がまだない。

春らしい温かい日差しと心地よい風が学校を包む。

いつの間にか学校も終わり、帰り支度を整える。

電車に揺られながら、いつもの変わらない景色を見る。

改札口を出ると、駅の入口には大好きな人の姿があった…。


「浅賀さん…!」


年は自分より10歳上。

世代も立場も環境も違う2人。

その2人が今、出会った場所にいる…。


「今日は仕事が早く終わったんだ。だから由香里が来るまで待ってたんだ。」
< 163 / 169 >

この作品をシェア

pagetop