社会人と女子高生
私が答えたら浅賀さんは、深く息を吐いた。

そしてブランコに座る私の前でひざをついて、私を抱きしめた。


「…!!」

「…俺も不安なんだ…。由香里は高校生。だから…俺の目の届かないところに行ってしまいそうで…。」


浅賀さんの私を抱きしめる手は震えていた。


「この手でつかめる今はいい。でも…離したら…。」


声まで震えていた浅賀さん。

不安なのは私だけじゃなかった…。


「…大丈夫だよ!私はここに…浅賀さんのそばにいるよ…!」


大人の浅賀さんも私と同じで、子供のような不安な気持ちを持っていた。
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