社会人と女子高生
そして純の腕が緩んだ瞬間、私は一心不乱に走った…。

いや、逃げたと言う方がいいかもしれない…。

とにかく無我夢中で走る。


「由香里、待てよ!」


私を追いかけて来たのは、純だった。


必死に逃げても、男の足にはやっぱり勝てない。

すぐに腕を掴まれる。

この時…浅賀さんとの出会いを思い出した…。

ぶつかって倒れそうな私を、差さえてくれた…あの手…。


「追い付いた…。」

「なんで…。」

「…由香里が好きだからだよ。…まさかあんなところで出くわすとは思ってなかったけど…。」
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